マグネシウム
2024年3月6日
マグネシウムは非鉄金属材料の中でも特に「軽さ」に着目されて使われることの多い素材です。純マグネシウムでは比重がわずか1.7程度しかなく、軽量であるアルミニウムの2.7よりもさらに軽いことが分かります。
引張強さを比重で割った比強度は高い材料ですが、伸びが小さく、ヤング率もアルミの3分の2ほどしかありません。ただ、実際には添加元素をくわえた「マグネシウム合金」として使われることが多いため、純マグネシウムにはない諸特性を備えた優れた材料の一つとして幅広く活用されています。
マグネシウム合金のJIS記号はM(鋳物:MC、ダイカスト製法:MDC)からはじまりますが、実際にはASTMの材料記号AZ91やAZ31などが、アルミと亜鉛が含有していることが一目でわかるため、一般的によく使われています。
マグネシウム合金の問題点としては、まず加工性が悪く、加工コストが高い、耐食性が低いということが挙げられます。また、加工中に燃えやすいという問題もあり、ただマグネシウム合金の製品が燃えやすいというのではなく、製品化の過程で切削加工などをした際に発生する切粉や薄いリボン状の加工片に注意が必要です。こういった切粉や薄いリボン状の加工片が水を含むと水素を発生し爆発にいたる恐れがあります。